2018年5月28日月曜日

エンジンオイル:10℃の違いがけっこう大きな違い

みなさん、エンジンオイルには
気を使ってますか?

油温も大事ですよね。

大ざっぱな話ですが、
油温が10℃変わると寿命は倍違う、
と言われます。

・・まあ、目安程度ですけど。

サーキット走る場合は
オイル交換を早めにした方がよい
というのもこれが理由ですよね。

たとえば、公道を普通に走る程度なら
80℃が想定されている油温です。

でも、サーキットでは
100℃超えることもざら。

80℃→100℃ということは
ざっと1/4に寿命が縮まる
110℃ならさらに半分で1/8、
というイメージを持っていれば
大きな間違いはありません。

こういう意味で
油温管理は大切とされてますが
他にも、もう一つ
忘れてはいけないことがあります。

オイルの動粘度は
高温になるほど低下します。

オイルの動粘度が下がると、
油膜が薄くなります。

油膜が薄くなると
油膜強度(耐荷重性能)が悪化します。

「ん~なこと言っても
 10℃かそこらじゃ
 大して変わらんだろ・・」

とお思いの方は、
下のグラフを見てください。





これはSAE粘度分類で50番のオイルが
110℃、120℃になったときに
100℃の時と比べて
どの程度油膜強度(耐荷重性能)が
低下してしまうかの概算結果です。

横軸の粘度指数というのは
80~100が鉱物油、150が合成油
だと思ってください。

ちなみに、時々話題にするグループ3ですが、
グループ3は粘度指数120~130ですので、
100と150の中間くらいに位置します。

計算に使ったのはDowson-Higginsonの式で、
粘度の圧力変化影響も無視しているので、
数字の正確さはそれなりですが、
傾向は示せています。

まず100→110℃では、
油膜強度は、鉱物油と合成油で違いますが、
20~30%に減ってしまいます。

もっとすごいのが100→120℃で
油膜の強さは100℃の時に比べ
数%にまで低下しています。

もちろん、油膜強度が低下するといっても
負荷が強度以下であれば問題ありません。

必要以上に油膜が厚すぎると、
燃費や出力に悪影響を及ぼすので
昨今のワークスチーム用オイルは
極限まで低粘度でサラサラなものばかりです。

まあ、あの人たちは勝つのが絶対条件で
エンジンなんて使い捨てですから、
そういうことも出来るのですが。(--;;)

また、オイルには極圧剤が添加されており、
たとえ油膜が切れても
すぐには焼き付きはしません。

したがって、油膜強度を
気にしすぎることはありませんが、
さりとて無視するのも危険。

我が家のドカSSなんぞは、
気を付けていないと
あっという間に油温が上がるので
サーキットでも街中でも
油温のチェックは必須です。

真夏なんか、たとえ公道でも
30分ぐらい走ったら
木陰に停めて一休み。

また、このグラフを見れば、
サーキット走るなら合成油
という理由も理解できます。

粘度指数の高い合成油なら、
高温になっても、
油膜強度の減少幅が小さいので、
油温が上がりがちなサーキットでは
安心感が高い。

逆に言えば、公道を静かに走ってるだけで、
油温もそんなに上がらないのなら
鉱物油でいいからこまめに変えて
という考えもあり得ます。

・・・まあ、当たり前ですけどねぇ ^^;

また、粘度表示で50番のオイルを
40番とか30番に変えた場合はどうなるか?


・・・というのがこのグラフです。

同じ100℃の場合に、
50に対して、40や30の油膜強度が
どのくらいなのかをグラフにしました。

これはオイルの種類によらず、
動粘度だけで決まるので、
50番の鉱物油の方が
40番の合成油よりも
油膜は強い!

もちろん、これだけが全てではなく
鉱物油は寿命がぁ、とか
あんまり安いと清浄分散剤とか
添加剤をケチってるかもしれないなど、
他の問題もありますので
そこはお忘れのないように。

でもまあ、ダエグのオイルは
同じ15w-50なら、合成油にこだわらなくても
そこまで違いはないんじゃないのぉ?
と考えているわけです。(アセアセ)

0 件のコメント: