2014年11月1日土曜日

ストーナーの存在とマルケス

http://www.asphaltandrubber.com/motogp/casey-stoner-2015-honda-rc213v-motegi-test/

相変わらず、ストーナーのホンダテストは続いているようだ。

90年代初めごろのWGPの話になるが、
当時、GP500こそ日本メーカー無敵の時代が続いていたが
GP125、GP250においてはアプリリアが急速に力をつけ
「日本メーカーでないと勝てない」
という時代は終わりを告げていた。

そのころ、125や250のライダーたちがこぼしていたのが
「日本メーカーのテストライダーは
 俺たちより2、3秒も遅く、まともな評価ができない。
 だから試行錯誤ばかりで開発スピードが遅い。
 だが、アプリリアのテストライダーは
 もっと速いので、ちゃんとした評価を下せる。
 そのため、開発が速い。」

もちろん、日本メーカーは500ccに注力していて
125ccや250ccは、必ずしも主戦場と捉えていなかった
という背景があるので、彼らの言い分が正しいのかどうか
あまり安直に結論を出してしまうのは避けるべきである。

ストーナーの伝記によると、
GP250(アプリリア)からMotoGP(ホンダ)に移ったとき
RC211VのことをGP250マシンより軽快に感じた、というから、
やはり本気になったときの日本製マシンの完成度は凄まじく、
日本メーカーが本気で中軽量クラスマシンを開発し続けていたら
アプリリアが、あれほど勝つこともなかったのだろう。

とはいえ、やはりテストライダーの役割は
マシン開発において、かなり重要なのは事実である。

世界最速のテストライダー(つまりストーナー)が
ホンダにいる、という状況が、
各社の勢力バランスに影響している可能性は低くない。

今年のMotoGPでは、開幕からホンダの完成度が高かったのに
ヤマハのマシン熟成速度がホンダに追いつけず、
競争力のあるマシンの登場が、シーズン後半にずれ込んだ。
(そのことがマルケスの10連勝に追い風となった可能性はある。)

ホンダが、ストーナーのおかげで、
マシン開発速度の劇的な向上に成功していたとしたら、
来年以降もホンダのマシン熟成速度に
他のメーカーはついていけず、
マルケスを止める者はいないかもしれない。

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