2014年12月9日火曜日

メジャーになったKTMは「DR800の再来」なんか作らない(KTMが中間排気量V2エンジンを計画)


http://www.motorcyclenews.com/news/2014/november/ktm-plan-new-v-twins/

CB1100のヘッドライト騒ぎとか、
その後のネットがつながらないとかで
しばらくドタバタしていたので、
ニュース!というにはちょっと遅い話題・・・・


KTMといえば、オフロード中心の
ニッチマーケットを狙うメーカー、
というイメージが強いのだが、
昨今ではオンロードモデルも充実させ
その努力の甲斐もあって、今では
欧州有数の規模のメーカーに成長している。

その一方で、万人受けを意識するあまり、
モデルの個性が薄まった、という批判もなくはない。

そのKTMが、600-800ccの中間排気量クラス用に
新たにV2エンジンを開発する、というのは
ニッチからメジャーに変わりつつあるKTMの
象徴といってもいいのかもしれない。

現在、KTMの中間排気量クラスは
LC4と呼ばれる単気筒エンジンが中心である。

LC4は次第に排気量を増大させ、現在では
102×84.5のボア、ストロークで
690ccの排気量を誇る。

KTMは102mmのボアが
事実上、ガソリンエンジンの上限と考えているのか
それとも万人受けを考えているためなのか、
ここ最近は、80→82.5→84.5と、
もっぱらストロークアップで
排気量を増加させている。

しかし、かつて存在したスズキの大排気量シングル、
DR800を例にとってみると、
ボア×ストローク 105mm×90mm(779cc)なので、
LC4より3mmボアが大きい。

スズキはこのエンジンを圧縮比9.5とし、
最高出力54馬力/6600rpm
最大トルク6.32kg-m/5400rpmを発揮していた。

DR800は、油冷時代の古いエンジンなので
圧縮比も低く、パワーはそれなりだが、
これを水冷化して、圧縮比を高めれば、
Ready to RaceのKTMが満足するような
パワーアップを狙うことも可能だ。

(たぶん、70馬力、80Nmくらいならすぐいく。)

また、さらにすごいのがドゥカティ1199。
1199は二気筒だが、気筒一つ分を見てみると
超ウルトラショートストロークで
ボアがなんと112mmという数値を誇る。

この数字は「陸上最大のボア」を自認している
スズキのBOULEVARD M109Rと同じ値である。

ボアが長大だと、中央のプラグで点火してから
火炎が周辺まで到達する時間が長くなり、
ノッキング耐性に乏しいエンジンになるが、
ドゥカティは、この巨大ボアでスポーツモデルを
まとめ上げるのに成功している。

試しにボア×ストロークを112×80とすると
排気量は790cc。ほぼ800ccになる。
112×84.5なら830ccだ。
DR800よりも高回転型にすることで、
ロードモデルにも十分使える。

ここまでの大排気量シングルになると
いくら二気筒より軽量と言ったところで、
性能や扱いやすさなど、いろいろな点で
二気筒エンジンには遠く及ばないが
こと「面白さ」とか、「ユニークさ」という点では、
二気筒よりも、ずっと上なのは間違いない。

もちろん、こんな「バカげた」エンジンを
「メジャー」になったKTMが作るはずもない
というのは分かった上の話であるのだが・・・・

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