2014年4月14日月曜日

アスファルト舗装について調べてみた

ロレンソのフライングで
早々に決着がついてしまったMotoGPのことは
脇に置いておいて、今日はアスファルト舗装の話・・・



石油を沸点順に分けていくと
LPG、ナフサ(ガソリン)、灯油、軽油、重油・・・
ときて、一番沸点が高い、というより
最後まで蒸発しない成分をアスファルトという。

アスファルトは、粘度がきわめて高いため、
常温では流動性がない。

・・・・かんたんな言葉でいうと
ものすごくネバネバしている液体ということ。

たとえば、水はサラサラだが、
蜂蜜は、どろっとしていて
しかも手につくと、すごくベタベタする。

アスファルトというのは、
これのもっと極端になったもの
と思えばよい。

極端にネバネバしたもの、という特性から
人類はかなり昔から接着剤として
アスファルトを利用している。

通常の油田は地中深くにあるが
地殻変動でこれが地表近くに出てくると
長い間にガソリン成分などは蒸発して
アスファルトだけが残る。

こうして得られたものを天然アスファルトといい、
古代エジプトでも防腐剤や建設用材料などに使われていた。

日本の縄文時代にも、割れた土器を
アスファルトで修理したものが見つかっているらしい。

このアスファルトを道路に使うようになったのは
19世紀以降になる。

石油の時代を迎えるようになると
アスファルトは大量に生産されるようになり
道路材料として一気に普及する。

アスファルト舗装とは、
砂や砂利をアスファルトを接着剤にして固めたもので
施工が簡単なことから急速に普及した。

それだけではなく、砂や砂利を固めただけ
という特性のおかげで、表面はザラザラであり、
そのため、グリップ力の高い舗装が作れる。

コンクリート舗装は、きわめてきめが細かくて固く、
耐久性のある路面になるが、その反面
「きめが細かい=ツルツル」
ということなので、グリップ力は非常に低い。

コンクリート舗装が、よく表面をわざと傷つけたりしてるのは
「グリップが低い」という弱点をなんとか補おうとしているためである。

さて、このアスファルト舗装だが、
時代と共に研究が進み、
グリップや耐久性などの向上の努力がなされている。

一つは、使われる砂利や砂の選び方がある。

アスファルトに使われる砂利や砂は
大きく3種類のものに分類されている。

一番大きい粒を・・・・粗骨材
真ん中くらいの粒を・・細骨材
一番細かいものを・・・フィラー(粉末)

という。表面をよりデコボコにして
グリップを上げるには粗骨材をたくさん使えばよい。

しかし、粗骨材だけでは耐久性は低い。
粗骨材の隙間に細骨材やフィラーが入り込んだほうが
耐久性が高い、というのは
素人目に見ても容易に想像できると思う

このため、実際の舗装では
粗骨材、細骨材、フィラーを適当な配分で混ぜて
目的に適した舗装を作り上げている。

また、ギャップアスファルト、といって
粗骨材、細骨材、フィラーを万遍なく使わず
ある特定の大きさの粒子を意図的に減らすなどした
特殊なアスファルト舗装もある。

うまい骨材の選び方をすると、ギャップアスファルトは、
グリップ力を非常に高めることが可能になる。

たとえば、つくばサーキットは
非常に路面のμが高いことで有名だが、
おそらくギャップアスファルトのおかげと推測される。

つくばは別としても、サーキットの場合は、
大型トレーラーなどは通らないので
あまり耐久性を重視しなくても良い。
そこで、粗骨材を増やした配合にすれば
グリップ力を高くできることになる。

一般道路では、大型トレーラーも通るので
グリップ力や耐久性、耐摩耗性などを
うまくバランスさせた骨材の選び方が必要になる。

またアスファルトの方にもいろいろ技術革新があって
改質アスファルト、というものがある。

一つ目は、アスファルトに樹脂やゴムなどを混ぜ込んだ
ポリマー改質アスファルトというもの。

たとえば、アスファルトにゴムを混ぜ込めば
それだけ、弾力のある舗装道路になる。
人工芝球場は、薄い人工芝の下はただのアスファルト舗装で、
このため、人工芝だと選手の怪我が多い、と言われていたが
最近は弾力のある改質アスファルトのおかげで
選手の怪我もぐっと減った。

また一般の道路においても、
耐ひび割れ性や耐摩耗性、骨材付着性の向上
などを目的に様々な改質アスファルトが使われている。

当初は、雪国で、寒い冬でも
路面にひびが入らないようにゴムを混ぜた
という使い方が一般的な使い方だったらしい。

最近話題の排水性舗装もその成果の一つ。
粗骨材をたくさん使うことで隙間だらけの路面にして
水を道路の下に流してしまうもの。

粗骨材ばかり使うと、耐久性が悪化するが
それを補ったのが、接着剤としての強度を増やす配合の
特殊な改質アスファルト。

その他には、一見すると地味な
セミブローンアスファルトというものもある。

高温でアスファルトに空気を吹き込み
意図的に酸化劣化させて硬くし、
舗装の耐久性を上げようというもの。

このアスファルトを使えば、
グリップを犠牲にすることなく
耐久性を上げることが可能になる。

が、しかし、適度な酸化劣化に留めておかないと
ぼろぼろになってしまい、使い物にならなくなる。
この酸化劣化のコントロールが実はかなり難しく
実用化はポリマー改質アスファルトより遅れた。

改質アスファルトが普及すると
今までのアスファルトは
「ストレートアスファルト」
と、呼ばれるようになった。

舗装業界では略して「ストアス」
と呼んでいる。

改質アスファルトの登場で
アスファルトの世界も、一気に複雑化した。

タイヤについては、
見た目は黒い塊でどれも同じに見えるけれど
いろいろな材料を混ぜ込んでおり
中身はノウハウの塊
というのはよく聞く話だが、
改質アスファルトの世界もそれと同じ。

残念ながら、オイラはアスファルトの専門家ではないので
改質アスファルトの具体的な中身のことは、よくわからない。

オイラの希望としては、排水性アスファルトがもっと進歩して、
雨でも晴れと同じグリップ性能
・・・・なんて夢の舗装が出てくれば嬉しい。

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