オイラの勤務している会社が、ベトナムに工場を作り
現地採用されたスタッフが研修のために来日しました。で、今現在、2週間ほどオイラのいる部署で研修をしており、
まあその関係で、いろいろと飛び回っている状態です。
研修の合間には、オイラの下手な英語で
相手といろいろ話をする機会もあるわけですが、おかげで、
いろいろベトナムの話を聞くことが出来ました
ベトナムは、今、バイク天国です。
もちろん、途上国はみなそうでしょうが、
ベトナムの場合は、ベトナム戦争の影響がある。
アメリカ軍の爆撃から逃れるため、ベトナムの人たちは
小さな原付に2人、3人、4人・・・と乗って
命からがら逃げた経験がある人が多い。
そんなわけで、特に年長者ほどバイクには特別の思いがあり、
豊かになっても、あえて四輪を買わず、
バイクに乗り続ける人もいるとか。
話をしてくれたスタッフも、
2台のバイクを持っているそうです。
そのベトナムでも、圧倒的なブランド力を持っているのが
言わずと知れたホンダ。昔は、ベトナムでバイクのことを
「ホンダ」と呼んでいたとかいう話もある。
ちょうど昔の日本人が無軌道車のことを
「キャタピラ」と呼んでいたようなものです。
さて、ここからは、某ブログをネタにお話を
↓ ↓ ↓
今の日本メーカーに必要なものは?: The Chrysanthemum and the Sword
http://blogs.yahoo.co.jp/f4spr_c/28717284.html#28718677
>ドゥカティやKTM、あるいはトライアンフといったメーカーは、
>バイクを通じたコミュニティやライフスタイルの提案に腐心する一方、
もちろん、ここで話題にしている
「ハードには強いがソフトに弱い日本」
というのは、まさにその通りでしょう。
パソコン、携帯分野なんかまさにそれ、
という指摘も、一部の人には耳が痛いと思う。
しかし、バイクの場合はそれだけでは語れない。
少なくとも、世界の全体像を見失うように思います。
まずは、先ほどのブログが引用している元記事の
「リーマンショック不況から、欧州メーカーは
上手く立ち直ったが、日本メーカーは・・・」
というのは、ほぼ確実に事実の誤認。
それはあくまで先進国に限った話で、
途上国では全く違った姿が見えてきます。
現在の世界三大メーカー(販売台数から見た)は
ホンダ、ヒーロー、バジャジで
ホンダ以外の2社はインドのメーカーです。
ヤマハやスズキは、台数で言えば
すでにインドメーカーに追い越されています。
日本メーカーの最大の敵は、今やドカティでもBMWでも
ましてやハーレーでもなく、途上国メーカー。
欧州メーカーは、単にコストダウンのためだけに
海外工場を作っていますが、ホンダはじめ日本メーカーは
現地で売るバイクを現地で作るために現地で従業員を雇い、
現地に溶け込む努力をしています。
CBR250Rについても、あれこれ言っているのは
日本の(しかも中高年の)バイク乗りだけで、
途上国においては、ホンダ(現地)のフラッグシップとして
少し余裕が出てきたライダーたちから
強い支持を得ています。
欧州メーカーは、自分の足元で
市場が回復してきていることに安住していたら
気が付くと途上国が急成長し、ポツポツと
比較的大型バイクが売れるようになってきて
あわてて、えらいこっちゃ!と販売に乗り出してますが
プレゼンスの違いはあまりにも明白。
KTMは、200Dukeを仕立てあげて
インドで販売しましたが
「人と違ったバイクに乗りたい」
というニッチマーケットを掴むことは出来ても
大ヒットというわけにはいかない。
もはや、世界=欧米ではないのに
一般の欧州人はまだそれに気が付いてない、という話。
・・・・・ま、こんな皮肉っぽい話をしたのは、
「お仕着せのライフスタイルの提案などむしろ迷惑。
そんなものはバイクを買った自分で考える。」
という、オイラ自身の性向が関係しているかもしれません。
それに、昨今の欧州メーカーの囲い込み戦略の酷さから
以前は「Ducati命!」に近かったのに
急速に日本車に回帰しつつあるというのもある。
とにかく、ひどい話だとは思いませんか、
パーツリストもサービスマニュアルも
正規ディーラー以外には絶対渡さない!なんて。
それでいて、正規ディーラーの腕は・・ゴニョゴニョ
オイラも、ドカマイスターと知り合えたから
Ducatiの最終空冷SSをかれこれ8年維持出来てますが
さもなけりゃ、今頃どうだったか。
そんなオイラからすると国産メーカーのバイク、
言うほど酷くもないし、魅力だって負けてない、
と見えますけれど。