2017年6月28日水曜日
ドゥカティの売価15億ユーロは適正か、現在価値法で考えてみた・1
https://goo.gl/8td1M6
ディーゼルエンジンの排ガス不正で
窮地に立たされているVWグループが
ドゥカティを売りたがっているというのは、
少しばかり前から囁かれている話ですが、
その売価15億ユーロというのが
法外だとか法外でないとか
メディアではいろいろ騒がれています。
この15億ユーロが法外だとして
インドメーカーがドゥカティ買収から
手を引くことにしたとかなんとか・・・
そこで、この15億ユーロって
どうなんだろう?
というのを現在価値法を使って
考えてみました。
といっても、現在価値法のイロハから
しゃべるわけにはいかないので
途中の理屈はすっとばし
さらにいろいろ簡略化して
下の式だけで話をします。
現在価値=その会社の利益/利率
利率というのは、銀行からの借入金利
もしくは、手元資金がある会社にとっては
ドゥカティを買わずに、その金を設備投資に回した時に
見込める利益の増大割合です。
この現在価値と売価を比べて
・現在価値の方が大きければ買い
・現在価値の方が小さければ買わない
ということになります。
日本では、一般に利率=4%とする事が多いので
2016年のドゥカティの利益5100万ユーロを使って
現在価値=5100万ユーロ/0.04=12.7億ユーロ
つまり日本の感覚でドゥカティの現在価値は
15億ユーロに届きません。
インドのメーカーが、ドゥカティの買収から
手を引いたというのも、これから説明できます。
インドは成長市場なので、インドメーカーは
どこも設備投資を目いっぱいしています。
そして、その設備投資により
毎年、成長する市場に対応しています。
インドの二輪市場は年により違いますが、
今でも8%ぐらいは成長してるので
インドメーカーにとっては
現在価値=5100万ユーロ/0.08=6.4億ユーロ
彼らにとってドゥカティの価値は
わずか6.4億ユーロです。
もし、売価が8億とか9億ユーロなら
6.4億との差額分は「ドゥカティを持ってる!」
というブランド価値と考えることもできますが
15億ユーロっていうのでは、さすがに
「アホかっ!」ですよね。
インドメーカーはドゥカティ買う金があるなら
設備投資に回した方がずっとよい! です。
ではハーレーは?
という話は長くなったので、
後半のその2で・・・
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