http://os-nightsky.blogspot.jp/2012/07/blog-post_24.html
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以前に、上のところで述べた通りだが、アルコールには腐食性がある。
軽量化のためにアルミを多用するバイクの場合
特に高濃度アルコール燃料に弱い。
したがって、JISでは現在ガソリンを2種類規定していて
①通常ガソリン(アルコール3%以下=E3もしくはノンアルコールガソリン)
②E10ガソリン(アルコール10%)
とある。①のガソリンは、どの車両に入れても構わないが
②のガソリンは、E10対応材料で作られたエンジンでないと
給油してはいけない。
ブラジルなど、高濃度アルコール燃料が出回っている国では
多くのメーカーがE10対応材料のみを使った車両を販売している。
だが、多くの国では、E10対応車両なんて、
ほとんど販売されていないのが実情。
これは、自動車、バイクメーカーの怠慢というだけでなく
今まで1種類のみだったガソリンが急に2種類になることで
ガソリンスタンドの多くが対応不能になる、という
ガソリンの物流・販売の問題が大きい。
したがって、日本でも政府の肝いりで
E10ガソリンがJISに導入されたが、
日本のどこでもE10ガソリンなんて売ってない。
そもそも、現在の技術ではトウモロコシなど、
食糧からしかアルコールを作れないので
E10ガソリンを作るために穀物を大量に消費したら
食糧危機になるのは目に見えている。
現在、穀物ではなく草(=セルロース)からアルコールを作る研究が
進んでいるが、これが実用化しないと、E10ガソリンなんて無理な話だ。
が、しかし、高濃度アルコール燃料を熱望する人々がいる。
だれかというと、欧米の農家である。
彼らにとってみれば、E10で穀物を大量に消費する結果
需給バランスが大幅に崩れ、穀物価格が上昇するのは
非常に喜ばしいことである。
特に、欧州においては、域外輸入穀物に
その地位を脅かされ続けているので
E10は国是に近かったりする。
しかも、E10が地球温暖化を止められるかというと、
最近の研究ではそれも怪しいことが明らかになった。
特にトウモロコシの場合、穀物生産の過程でまく大量の肥料や
穀物からアルコールを生産するために
かなりのCO2を排出してしまい、結果的に
CO2削減につながらないとの発表もある。
ここでも、草からアルコールを作る研究が進まないと
本当の意味のCO2削減にはなかなかつながらない。
何の話かというと、EPA(アメリカ環境省)の
E15ガソリン旗振りの話である。
http://www.asphaltandrubber.com/news/epa-e15-motorcycle/
EPAが何を狙っているか、誰に動かされているか
あまり素直な目で見ることができない身としては
いいかげんにしてくれ! と言いたい。
そもそも、E3から上は、特別な車両が必要というのであれば、
E10などといわず、E100(アルコール100%)でも売ればよい。
E100だって、E100対応材料のみを使った車両なら
普通に走ることも可能だろう。
わざわざ薄めて一般の車両に使わせようとしなくても
良いし、農家だって喜ぶだろうし。
そこんとこは、どう考えているのだろう >EPA
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