2011年12月3日土曜日

風圧とバイク / AMAスーパーバイク



熱帯低気圧と台風の区分けは
風力8(34ノット=17.5m/s)より風が強いかどうかが境目となる。
時速に換算すると、わずか63km/hだ。

もちろん、嵐の中での風の強さは一定ではなく、
最大瞬間風速は平均風速の1.5~2倍くらいになり(突風率という)
体感風圧は、この突風率にも影響されるのだが、
それにしても、バイクで走っている時に受ける風圧は
案外、馬鹿にならないという良い例だと思う。

高速でバトルを繰り返すレーシングバイクに
カウルが装着されているのも、
第一の目的は空気抵抗の低減だとしても、
ライダーを風から守る効果もあるわけで、
ノンカウルのバイクでレースしろ、なんて言われたら
たぶん、素人レーサーだったら、最初の2,3周で
疲れ果ててしまうに違いない。

少なくとも、スズキの竜洋コースでB-KINGに試乗した時の自分は
たった1周で、「もう勘弁してくれ」と思ったものだ。

でも、それをやっていたとんでもない連中がいたのである
70年代のAMAスーパーバイクのライダーたちがそれだ。


メーカーの威信をかけたプロトタイプではなく
アマチュアによるアマチュアのためのレース。
つまり、あくまでも市販バイクによるレース、
という立場を高らかに掲げたAMAスーパーバイクでは
外観も出来る限りノーマルに近いことが求められ
その結果、カワサキZやホンダCBでレースする場合
ノンカウルのままでサーキットに飛び出さなければならなかった。

もちろん、現在のMotoGPマシンに比べれば
速度はずっと低かったけれど、
でも、MotoGPライダーはカウルに守られてレースをしているのだ。
ノンカウルで丁々発止のバトルをしていたAMAの連中とは
受けている風のエネルギーが全く違うのだ。

AMAスーパーバイクで育った、ケニー・ロバーツをはじめとする
アメリカンライダーは、その後世界を席巻していく。

トラクションコントロールなど無かった時代
スライドコントロールに優れた彼らの能力が云々
・・・というのが一般的には彼らが活躍した理由と言われているが
あの風圧の中で戦っていたアメリカンライダーにとって、
カウルに守られて走るGPなど、ちょろいモノだったのではないか、
そんな風にも思えてくる。

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