2015年6月19日金曜日

カビの話(長期保管は考え物)



さて、6月は梅雨のシーズンですね。
梅雨と言えばカビ!

1960年代のこと、自衛隊の戦闘機の燃料タンクに穴が開き
ジェット燃料が漏れだすという事故が発生しました。

この原因となったのが、なんとジェット燃料中のカビ。

アルミを腐食させる、つまりアルミを食ってしまうカビが
ジェット燃料中に大量発生して、燃料タンクに穴をあけたのです。

『カビの常識、人間の非常識』という本に
この経緯が詳しく書かれています。

http://tig.seesaa.net/article/81789874.html
http://www.wound-treatment.jp/next/dokusho90.htm

当時の研究者たちが、著者の研究を最初は全く信用せず
「何を馬鹿げたおとぎ話を・・・」と鼻で笑っていた
あたりについては、常識にとらわれてしまうと
いかに事実を受け止められなくなるか、という例として
全ての人が注意しないといけない点です。

このため、現在でもジェット燃料中の微生物は
重要な検査項目になっています。

他にもボイラー燃料などで使われるA重油にも
カビが大量発生して燃料フィルターを詰まらせる
なんてトラブルが、極めて稀ですが起きています。

それどころか、
濃硫酸なんて劇物にすらカビが生えるそうです。

さて、ジェット燃料やA重油、
まして濃硫酸にまでカビが発生するなら
ガソリンやエンジンオイルにだって
保管条件が悪い場合は、
カビが発生してもおかしくありません。

なにせ相手はカビです。
最初は胞子1個しかなくても
時間がたつうちに倍々ゲームで増えていき
ついに・・・・なんてこともあり得ます。

しかも1億個に1個の割合で突然変異を起こすので
いつ、新しい性質をもったカビが生まれるかは
それこそ神のみぞ知る、です。

食べ物に限らず、
長期保管というのは考えた方がよさそうです。

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