2013年9月25日水曜日

ボッシュのMSCがKTMに初めての採用

http://www.motorcyclenews.com/MCN/News/newsresults/New-bikes/2013/September/sep2413-ktm-first-with-anti-lowside-abs/

右を見ても左を見てもKTMのAdventure1190Rが
ボッシュのMSC*を採用したというニュースでもちきりである。

*MSC:Motorcycle Stability Control

あんまりにもあちこちで話題になっているので
このブログでもちょっと触れてみようと思う。

MSCの新しい点は何かというと
リーンアングルセンサーとABS
それにトラクションコントロールを
全部ひとまとめのパッケージにして
全体を統一制御するようにしたことにある。

このため、たとえばコーナリング中に
ブレーキをかけた時に、
タイヤロックだけでなく
スライド→転倒、というリスクにも
対処できるようになった。

また、アクセルを乱暴にあけても
トラクションコントロールが働いて
スリップダウンを避けられる。

どちらも、リーンアングルセンサーと連動しているので
システムが、今はコーナリング中だ、と判断し
直進時とは違う制御を行う、
というのがミソだ。

このため、アンチ・ローサイド・システム
として紹介しているサイトが多い。

老婆心ながら付け加えると
よく聞く「ハイサイド」というのは
バンクしている側と反対側を意味し
このため、コーナーの外側に吹っ飛ばされる転倒を
ハイサイド転倒と呼ぶ。

ローサイド、とはその逆で
バンクしている内側の方を意味するので、
「ローサイド転倒」とは、つまり
一般に言う「スリップダウン」を意味する。

このシステムのおかげで
スリップダウンはほぼ起こらない
というのが「アンチ・ローサイド」
と言われるゆえん。

電子化されることで安全性が高まるのは
悪いことではないが、こういうシステムって、
将来、誰かがレストアしようとしたとき、
非常に困難になってしまう。

使い捨ての消費財というならともかく、
文化財として考えた場合、
これは非常に由々しき問題である。

それと、こういうシステムを搭載したバイクであっても
事故を100%防げるわけではない。
電子制御満載のMotoGPでも転倒は起きている。

こういうギミックは、あくまでライダーの支援システムに過ぎず
バイクを制御するのはあくまで人間だ、
という意識が必須であろう。

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