2014年3月20日木曜日

AMA ProロードレースRd.1デイトナ200:オーバルレースの特殊性



AMAロードレース・デイトナでは4クラスのレースが開催される。

①XR1200:ハーレースポーツスターのワンメイク(7周)
②スーパースポーツ:600ccクラス(10周)
③スーパーバイク:1000ccクラス(15周)
④デイトナスポーツバイク:600ccクラス(57周:耐久)

このうち、今回紹介するのは耐久スポーツバイク。
一応、メインイベントといってよい。

AMAでは最近「スズキGSX-R1000が強すぎて面白くない」
ということで、リッタークラスではなく
600ccクラスをメインにしよう、という動きがあって
デイトナで耐久が600ccなのも、その動きに沿っている。

このデイトナで特徴的なのは
なんといってもオーバルコースだということ。

もちろん、MotoGPだって、
インディアナポリスではオーバルコースでレースをするが
実際はストレート部分をちょっと利用するだけで、
レイアウトは普通のコースとさほと違わない。

けれど、このデイトナではオーバル区間が非常に長く、
そのために普通のレースとは趣が完全に違う。

単純に見ているだけでも、壁のようなバンクを
バイクが走り抜けていくのは、かなりおっかない。
オイラも、オーバルを走った経験は一応あるけど、
そのときは四輪(しかもハコ)でのこと。
バイクでそこを走るのは、見てるだけでも怖いが、
しかしそれだけではなく、レースの中身も全く違う。

具体的にいうと、インフィールドでちょっとくらい差がついても
長いオーバルでは数台前までのスリップが効くおかげで
あっという間に追いついてしまい、
オーバルに出る前と、オーバルが終わったところで
順位は「ご破算に願いましては・・・・」になってしまう。

こうなると、インフィールドで速いとか遅いとか
どこのコーナーでインに飛び込むとか
そんなことはどうでもよくなり、
むしろ、インフィールドで無理をせずに
タイヤと燃料を温存し、ピットインを遅らせて
それだけ長く走った方がよいことになる。

自然、見ている側も、どのバイクの動きがどうとか
細かいことなど、どうでもよくなってしまい
単純に、「抜いた~、抜かれた~」
などと言いながら、能天気に見るようになる。

レースに詳しいと自称する人には不評かもしれないが
「これがアメリカのレースだよ」
ということを感じさせてくれる。

今回、このスポーツバイククラスで
話題になったのが、トライアンフの三気筒に乗る
Danny Eslick(69)がポールを取ったこと。

デイトナ675、と、このレースに向けて開発した
とでも言いたげな名前にかかわらず、
たしか、まだ優勝経験はなかった。(はず?)

レースでも昨年上位を独占したヤマハ勢と4台でのトップ争いを続けたが
ヤマハが残り1/3ほどのところであいついで2台が転倒してしまったことで
決着がつき、Eslickの優勝が決まった。

600cc四気筒よりも675cc三気筒のほうが燃費が良いはずなので、
この優勝はちょっとずるい気もしなくもないが、
しかし、レース中、トップグループを主にけん引していたのは
Eslickなので、優勝はやはり順当な結果だろう。


1 69 Danny Eslick Triumph Daytona 675
2 32 Jake Gagne Yamaha YZF-R6 10.975
3 85 Jake Lewis Yamaha YZF-R6 37.230
4 50 Bobby Fong Triumph Daytona 675
5 8 Garrett Gerloff Yamaha YZF-R6
6 33 Kyle Wyman Yamaha YZF-R6
7 68 Luke Stapleford Daytona
8 98 Jake Zemke Honda CBR600RR
9 74 Bostjan Skubic Yamaha YZF-R6
10 15 Steve Rapp Triumph Daytona 675

0 件のコメント: