2012年7月24日火曜日

アルコールには腐食性がある/アルコール専用車両


アルコールには金属、特にアルミを腐食させる。
ドライコロージョン現象という。
また、ゴム等部材への浸透性などがガソリンと異なるため、
ガソリン前提に選定されたゴムの場合、
劣化、膨潤性で問題を引き起こす。

かつて、ガイアックスという、ガソリン税制の抜け道を利用した
高濃度アルコール燃料が販売されたことがあり、
一部の車両でアルミやゴム部材を劣化させ、
火災が発生したりしたことがある。

また、プラスチックの燃料タンクにアルコールを入れた場合
プラスチックが溶けてしまうという深刻な事態も起こった。

ただ、ここで間違えてほしくないのは、
すべての金属やゴム、プラスチックが、
アルコールでダメになるわけではない。

一般の車両は、ガソリンで動くことを前提にしているので
アルコール耐性のある部材で作られていないだけだ。

そのため、ブラジルなど、アルコール燃料が広く使われている国では、
四輪メーカー、バイクメーカーともアルコール耐性のある材料を使った
アルコール燃料用車両を販売している。

ガイアックスを販売したガイアエナジーは
ここのあたりを甘く見ていた。

本来、自動車メーカー、バイクメーカーを回り
「アルコール燃料用車両を日本でも販売してほしい。」
と要請し、それらの車両が販売されてから
ガイアックスを販売するべきだったのに、
そのプロセスを怠った。

ガイアエナジーの社員たちは、
アルコールの特性すら知らないド素人だったのか、
それとも知っていて、とぼけたのか
どちらにしても、罪は重い。

「ヤマハ ブラジル市場にエタノール混合燃料適用車を投入 」
http://www.bbb-bike.com/info/blog/index.php?ID=1184
という、このニュースも、以上のことを知っていないと
「?」と思うかもしれない。
要するに、アルコール耐性のある材料だけを使って
作ったバイクです、ということである。

日本でも、再生可能エネルギーということで
政府が音頭をとって、
アルコール燃料の導入を目指している。

現在、アルコール3%までがJISで認められているが
これを10%まで認めよう、という動きがある。

ただし、アルコール10%までいくと、
先程のドライコロージョン現象が起こるため、
アルコール10%(E10という)対応車両でないと
この燃料を使う事が出来ない。

そこで、政府は自動車メーカーにE10対応車両を出すように
要請しているが、問題は、現在道路を走っている車両は
E10を入れるとトラブルを起こしてしまうということである。

このため、E10が本当に日本でも発売された場合
今までのガソリンとE10を別系統で販売しないといけない。
ほとんどのガソリンスタンドでは大がかりな改造なしでは
対応不可能なはずので、果たしてどうなることか?

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