現在、エンジンオイルの高温粘度SAE分類は
20、30、40、50、60とあって、数字が大きいほど高粘度である。
しかし、四輪の世界では燃費向上が大テーマになっており、
必要以上に粘度の高いオイルは抵抗になるということで
低粘度オイルの開発まっさかり、である。
そのため、0w-20なんてオイルが普通に流通していたりする。
しかるに、今回、その下を行く高温粘度分類16というのができた。
これからは〇w-16などというオイルが出てくるわけだ
ここで問題なのが、SAE16というのは、
HTHS粘度の低下を盛り込んだオイルだということである。
HTHS粘度については以前このブログでもふれたが
↓ ↓
エンジンオイルの話:HTHS粘度
http://os-nightsky.blogspot.jp/2012/06/hths.html
HTHS粘度が低いと、カムやピストンリングなど
動弁系の摩耗が悪化するので
四輪の場合2.6mPa・s以上、二輪の場合2.9mPa・s以上
と決められている。(二輪の場合はJASO規格)
しかるに、SAE16のオイルは、このHTHS粘度を
2.3mPa・sまで下げても良い、と決められた。
ま、一応理由はあって、油温が90℃程度までなら
HTHS粘度が2.2mPa・sぐらいまで低下しても問題はない。
特に近年、ハイブリッドやアイドルストップなどにより
四輪の場合は油温が上がりにくくなっており
従来のようにHTHS粘度を気にしなくてもよい
という研究結果もある。
(ソースは・・・・ごめん、飲んで帰ってきたので
今はわかんないや・・・有名どころでは豊田中研の
論文があったと思う。)
しかし、これをバイクに使った場合は
えらいこっちゃ!である。
特に夏の空冷エンジンは過酷である。
CB1100は油温計がついてないので分からないが
DucatiSSなんか、ちょっと油断すると
あっという間に100℃を突破してしまう。
たとえサーキットを走らなくても
90℃なんてありえない世界である。
こうして、四輪用オイルと二輪用オイルは
ドンドン違う世界になっていっている。
0 件のコメント:
コメントを投稿