2013年5月6日月曜日

なぜ、あなたは四輪雑誌、バイク雑誌を読まないのですか?

バイク雑誌はまだマシだが、
四輪雑誌(世の中は自動車雑誌、とか車雑誌とかいうのか?)
は、完全に読む気にならない。
書いている人間が酷すぎるからである。

たとえば、以下のサイトを見てみよう。
http://221616.com/corism/articles/0000102885/

この著者は、一応「自動車評論家」である。
が、この人物、自動車を「評論」するのに
必要な知識を全く備えていない。
(少なくとも、オイラより知識がない)

このサイトに書いてあることを要約すると
「自動車についている燃費計と、満タン法の
燃費を比べると、満タン法が悪い。これは
ガソリンスタンドが給油量をごまかしているせいだ」
となっている。

が、ガソリンというのは日本語で「揮発油」と
言うとおり、蒸発するものである。

2st用混合ガソリンを調合した人は知っているだろう。
オイルを入れて、ガシャガシャ振り混ぜた後
ふたを開けると「ポンッ!」と音を立てて
圧力が抜けることを。流動するガソリンは
静置するガソリンよりも、はるかに蒸発しやすい。

ということは、給油ガンから、勢いよくガソリンを
給油すると、その過程でかなりのガソリンが蒸発してしまう。

実際、給油しているときに、給油口をみると
ガソリンの蒸気でゆらゆらと、陽炎のように
景色がゆがんでみえるはずだ。

これを「給油時エバポ」と呼び、大気汚染の原因の一つとして
大気汚染シミュレーション計算で、計算に組み入れられている。

さらに、タンクに入ったガソリンも、全てが
燃焼に使われるわけではない。

燃料タンク内でもガソリンは少しずつ蒸発する。
そのまま放置すると、タンク内圧が上がって危険なので
圧力の逃げ道が用意されている。昔は、この逃げ道から
ガソリンはダダ漏れだったが、それは大気汚染の原因なので
昨今の車両には出口にキャニスターという、
ガソリン捕捉装置がついており、始動後に
吸気にガソリンを戻している。

だが、キャニスターも無限にガソリンを
吸収できるわけではない。エンジンを止めて
しばらく置いているうちに、キャニスターが
オーバーフローしてしまい、そのあとは
結局ダダ漏れになってしまう。

これをダイアナル・ブリージング・ロス
(略してDBL)と呼ぶ。

さらに、走った後はエンジンの熱で
車両が温まっており、その結果
ガソリンの蒸発が増える。
その結果走行直後のDBLは増える。
この増分のことをホットソーク・ロスと呼ぶ。

このDBLやホットソークロスについては
こんな専門用語を知らなくても
1か月くらい乗らずに、久しぶりに乗った場合
なぜか満タン法の燃費が悪化していることで
「ガソリンが蒸発したんだな。」と知ることができる。

以上のように、満タン法の燃費は
給油時エバポ、DBL、ホットソークロスを含んで
計算してしまう。

しかも満タンの定義があいまいである。
バイクならともかく、四輪は液面を見ながら
給油しているわけではないので
「このあたりで満タンかな?」と給油している人間や
機械が判断して給油を止める。
(セルフで給油した人ならみんなご存じだろう)
したがって、そもそも「満タン」そのものが、かなりいい加減である。

しかし、それでも、長期にわたって燃費を
計測しておくことにより、エンジンの調子を
チェックする基礎データとなるので、
「満タン法の燃費なんか計っても無駄」
ではないことには留意されたい。

自動車を「評論」するならば
きちんと対象について学ぶ努力をしてほしい。

全く何の努力もせず、ただ単に
「メディア向け試乗会」に出かけて
あれこれ乗って、その感想を垂れ流すだけなら
金を出して読む価値などゼロである。

0 件のコメント: