2012年5月21日月曜日

MotoGP第4戦フランス:ペドロサの失速



MotoGP第4戦は、ロッシが2位に入ったことばかり話題になり、
誰が優勝したかすらも忘れ去られてしまったようだ。

しかし、雨のレースでDucatiの欠点が隠されるのは、今までもあったことであり、
ロッシのパフォーマンスには、さほど関心は無い。

このレースで注目しているのは、
ポールからスタートしたペドロサの失速である。

今回のレースで、ペドロサはスタートは良かったものの、
その後、ロレンソ、ストーナー、ロッシ、ドヴィチオーゾ、クラッチロー
と、次々にパスされ、ブラドルにまで突っつきまわされる始末。

最終的にTech3の2台が転倒したため、
4位に滑り込んだが、内容的には最悪だった。

ペドロサによると、朝のウォームアップの後で
バイクに一部変更を加えたが、そのセッティングが良くなかったらしい。
しかし、曲がりなりにも朝の走行で3位のタイムを出したペドロサが
そんなにも調子を崩してしまったのはなぜか?

現在のMotoGPのタイヤは、ブリジストンのワンメイク。
MotoGPの速度域に合わせて、かなり高剛性のタイヤが使われている。

剛性が高いと言う事は、すなわち、
高いGでタイヤをつぶす必要がある、ということを意味する。

高いGを掛けにくい雨の中でタイヤをつぶすためには、
積極的に体重移動を行う必要があるが、
身体が小さく、体重も軽いペドロサには、それが難しい。

それゆえ、雨のレースにおけるペドロサのセッティングは
きわめて難しいものになり、少しでもセッティングを外すと
途端に、まったく機能しなくなる恐れがある。

以前、体が大きい人には分からないで書いたとおりだが、
現在のMotoGPは、軽量で身体の小さい選手には、
かなり難しいレースになってしまっている。
雨さえ降らなければ、表彰台に上がっていたのは
ロッシでなく、ペドロサだったであろう。

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