最近のブリジストンは、ライダーの意見を取り入れ、
MotoGPのタイヤ剛性を落とす方向で開発を進めている
という話を聞いている。
タイヤ剛性が高すぎると
それだけタイヤをつぶすのが困難になり、
タイヤのグリップを引き出して、
速く走るのが難しくなる。
そのため、高い剛性のタイヤを使いこなすには
それなりの腕が必要であり、素人レベルでは
剛性が高いタイヤなど、百害あって一利なし
と言い切ってもよいかもしれない。
こんなことは我々のような素人レベルだけの話で、
世界トップレベルのライダーには無縁と思っていたが
必ずしもそうではないらしい。
しかし、弱い剛性のタイヤは
それだけ、強い加減速Gに耐えにくくなる。
しかも、レギュレーションの変化により
マシンの重量は年々増加している。
さらに加えて、厳しい燃料使用量の制限もある。
ハードなブレーキングを行うよりも
コーナリング速度を落とさないように
かつスムーズな運転をしたほうが
燃費にも好影響を及ぼす。
燃費に好影響ということは、
それだけ、回転数の制限を緩めることができ
ストレートスピードまで向上する。
マシンの開発も、このレギュレーションの元で
行われている。
そこにもってきて、もてぎである。
もてぎは、短いストレートに低速コーナーを組み合わせ
全GPの中で最もブレーキに過酷なコースである。
青山選手や高橋選手などがよく言う
「ストップ・アンド・ゴー」
というやつだ。
本来なら、ロッシのようなブレーキングでの
突っ込みが強いライダーに有利な気もするが
現在のMotoGPは、ロッシ全盛時代と違い、
弱いタイヤ剛性+重い車重のマシンである。
ロッシが、かつてのヤマハM1のような
ブレーキングスタビリティが得られない
と訴えてみたところで、
物理学の基本法則は変えられないし、
レギュレーションも変わらない。
こうしてみると、ロッシが自分のライディングスタイルに
固執する限り、どんどん悪い方に行くことになる。
「ブレーキングのロッシ」が
ダウンヒルでの2度のコースアウトを喫したことで、
この問題に真正面から取り組むようになればよいのだが、
たぶん、それは難しいのだろう。
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