MotoGPの軽量クラスは、昨年でGP125が終了し、
今年からは4st250ccによるMoto3へと模様替えした。
GP125時代末期は、アプリリアのワークスサポートを受けた
チーム・アスパーが君臨し、優勝争いできるチームは
かなり限られていたが、Moto3になってホンダ、KTMにより
マシン、およびエンジンが一定の価格で市販されることになり
マシンの能力については「民主化」が進んだ、と言われている。
一方、エンジンが2st125ccから4st250ccに変わったことで
エンジンのトルクは向上し、扱いやすくなった。
そのため、坂田和人もコメントしていた通り、
ミスからのリカバリーが容易になったという面もある。
それは、ライダーの技量の差が出にくくなることを意味する。
今回のシルバーストーンGP、Moto3クラスは
その効果が出て、トップグループは大集団となった。
ヴィニャーレスがトップに立って、逃げを打とうとしても
なかなか集団を引き離すことが出来ない。
GP125時代なら、細かいミスを犯して脱落していったかもしれない選手も
トップグループに連なり、レース終盤まで周回ごとに
トップが変わるという熱戦が演じられた。
結局、レース終盤になって、集団は2つに分裂し
その期を狙っていたヴィニャーレスのスパートに
誰もついて行けず、勝負はあっさりついた。
各チームのマシン差が少なくなる「民主化」は
たしかに手放しで喜んでよいことだと思うが、
ミスからのリカバリーが容易になったことによる「民主化」は
結局のところ、今回のシルバーストーンのように、
見かけ上の熱戦を作り上げるだけで終わる。
ただ、それでも「熱戦」の方が良いのか。
それとも、力のあるライダーが前に出て引っ張るほうが
結果的にはレベルの高いレースが見られる、と考えるのか?
さて、どちらが理想に近いと言えるだろうか?
決勝レース:M.ビニャーレスが2連勝でポイントリーダーに再浮上
http://www.motogp.com/ja/news/2012/england+silverstone+moto3+race+vinales
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