2014年10月20日月曜日

MotoGPフィリップアイランド:「2時間」がもたらしたクラッシュ

http://www.crash.net/motogp/news/209968/1/marquez-i-was-trying-to-win-doohan-style.html

Motomatters.comが、
マルケス、クラッチロー、エスパルガロの
クラッシュについて分析している。
   ↓   ↓
2014 Phillip Island Sunday Round Up: Why The MotoGP Race Was Not A Tire Fiasco, And Rossi Reaps Rewards

そもそもの問題は、欧州との時差の関係で、
MotoGPのレースを2時間遅らせて(午後2時→午後4時)
開催したことにある。

フィリップアイランドは
オーストラリアの南に位置しており
緯度でいうと、日本の岩手県あたりに相当する。

オーストラリア大陸の南岸が面する海は
すなわち南極大陸につながる海で
南半球の10月、つまり北半球での4月は
まだまだ寒い海風が吹き寄せる。

そのため、太陽が傾くと
気温や路面温度は急速に低下する。

しかも、去年の教訓から
タイヤメーカーは寿命重視のタイヤを持ちこんでいる。

こういう状況で、通常より2時間遅らせ、
夕方近くなってレースを開催すれば、
冷えた路面と気温のため
タイヤのグリップが急速に失われるのは
当然と言えば当然。

それでも、ロッシのように
エキストラソフト・タイヤを選択していれば
まだしも最低限のグリップは確保できるが
マルケスらの選んだ左右非対称タイヤの場合、
センターはソフト・コンパウンドである。

急速に冷えつつある状況の中、
このタイヤでハードブレーキングをすれば
名手マルケスと言えど、
コントロールできない領域に
足を突っ込むことになってしまう。

記事では、マルケスが転倒したのと
ロレンソがロッシに遅れ始めたのが
ほぼ同じ時間に起きており、この時間帯から、
ソフトコンパウンドがグリップを失い始めたと結論している。

ロレンソが転倒せず、走り続けられたのは
彼のスタイルが、コーナリング重視で
マルケスほどのハードブレーキングを
しなかったため、ではないだろうか。

したがって、欧州との時差に気を取られず
本来の時間にレースをしていれば
12回目のマルケスの勝利、
それも、ぶっちぎりの独走という
ある意味「つまらない」レースになった可能性はある。

今回のレースから、来年以降への教訓を引き出すとすれば、
マルケスの言うとおり、フィリップアイランドを開幕戦にするか
または、せめて環太平洋シリーズの最後にもってきて、
オーストラリアGPを少しでも遅い時期(=少しでも暖かい時期)に
開催すること、ではないだろうか。

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