2022年12月4日日曜日

レース用ガソリンの話①

https://www.goo-net.com/kaitori/kaitori-satei/satei-knowhow/940/

まあ、今ならしゃべってもいいかな。


今日から、3日ほどかけて

ガソリンの話をします。


と言っても、リッター1万円以上くらいする

極々スペシャルなガソリン、

いや、中にはもはやガソリンと言っていいのか

分からない液体も含まれているんだけど、

そういう世界の話はしません。


そういう燃料は、もはや使用禁止です。


どことは言わないけど、某欧米石油会社が

無茶苦茶なことをやりまくった結果

ガソリン規制がかけられることになりましたから。


(だから「やめろ」って言ったのに・・・)


今は、主催者が「これなら使ってもよい」

と認めた燃料しか、使用できません。


(具体的にはレギュレーション読んでね)


ここでお話するのは、

せいぜいリッター千円クラスもしくはそれ以下の

市販ガソリンの延長線上にあるガソリンの話。


そっちの方が、実際に我々が使うガソリンにも

適用できる話なので、身近に感じられるでしょうから。



というところで、はじまりはじまり。


さて、まず皆さんにはガソリンの気持ちに

なってもらいます。


どういうことかって?


ガソリンってね、過酷な要求をされてるんですよ。


まず、キャブ(今ならインジェクション)の手前、

配管の中を流れているときは

「決して蒸発してはいけない!」

なぜならパーコレーションが起こるから。


でも、キャブから噴射された瞬間

「速やかに蒸発して空気と混合しろ!」


分かります?この無茶な要求!


ついさっきまでは

「絶対に蒸発するな!」

と言っていたくせに

今度は「速やかに蒸発せよ!」

ですよ・・・・・・


ガソリンに感情があれば

「ふざけるなっっっ!!」

と叫んでいるところですよね。


こういう性質を

蒸発特性と呼ぶことにしましょう。


この蒸発特性をきちんと設計していないと

とんでもないガソリンしかできません。


この匙加減をちょっとでも間違えると

エンジンの性能がガクンと落ちます。


こういうことが分かってる人間は

「オクタン価なんて二の次!」

と言うこともありますね。


いや、二の次っていうのは言い過ぎだけど

でも、たとえば、オクタン価ピカピカで

蒸発特性が無茶苦茶なガソリン入れると

そもそもアイドリングが苦しげな上に

アクセルをちょっとでもラフに開けると

たちまちエンジンストールします。


こういうガソリンでなんとか走れるには

マルケスレベルのアクセルコントロールが必要です。


ちなみに、このときエンジン内で

何が起こっているかと言うと

蒸発しきれず、液体のままのガソリンが

エンジン内にドバドバと入り込み

不完全燃焼を通り過ぎて、ほとんど燃えずに

生煮え状態になってしまっています。


こんなんじゃ、オクタン価以前の話でしょ。


さて、そんなわけで、今日の話は

「ガソリンの生命は蒸発特性にあり」

というところまでです。

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