2010年12月24日金曜日

インド:ヒーローとホンダの合弁解消

1980年代、インド政府は外国企業に対する規制を部分的に緩和し、
少数ではあるが合弁事業を通じてインド国内市場に参入できるようになりました。
そこで、ホンダも1984年に現地企業のヒーローと合弁会社を設立し、
ヒーローホンダを設立。インドでの二輪車販売に乗り出します。

しかし、インド政府はその後さらに規制緩和を行い、ホンダ本体がインドに
進出することが可能になりました。その結果、ホンダ・インドと、ヒーロー・ホンダの2社が
インド国内に存在するということになりました。

今回の合弁解消は、インド国内において機動性のある販売体制を敷き、
意思決定を迅速に行えるように、ヒーローグループとの合弁を解消し、
ホンダ本体がより直接にインドでの販売に乗り出す、という狙いがあると説明されています。

が、話はそんな簡単ではない。

ヒーローホンダは、各国にあるホンダの子会社の1つに過ぎません。
が、ヒーローホンダのシェアは現在48%にも上り、なんとホンダ本体の
販売台数の3分の1を占めるまでの巨大企業に成長しました。
一方、ホンダ・インドのインドにおけるシェアはわずか11%。
合弁解消により一時的に販売台数の激減は避けられません。

また、もっと問題なのは今後、ヒーローグループがホンダのライバルとして
立ちはだかってくる、ということです。26年間の合弁を通じて
ヒーローグループは二輪車製造のノウハウを吸収し
独り立ちできるオートバイメーカーに成長しました。
なので、ヒーローグループにとっても、ホンダとの合弁は
意味を持たなくなりつつあったわけです。

まだ技術的にはホンダ本体のレベルには全然追いついてないから大丈夫、ですって?
発展途上国におけるオートバイは、趣味の対象というよりは交通手段。
性能や信頼性だけでなく、価格が大きくモノを言います。
性能はそこそこでも、安い価格を引っさげてヒーローグループが世界的に
販売攻勢をかけてくる可能性は高く、ホンダは自らの手で
最大のライバルを育ててしまったことになります。

さて、この合弁解消はヒーローにとって吉となるかホンダにとって吉となるか、
今後の動向に注目です

http://autos.goo.ne.jp/news/industry/149423/article.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101216-00000029-fsi-bus_all
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80?redirect=no
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=aEQGiF78qJBQ
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-18666520101216
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_161278
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1292479798/
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK880385820101216

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