2022年9月1日木曜日

馬よ、お前もか!


https://er-animal.jp/pepy/31545

 

オイラたちは、歴史で、農業の開始を

さも素晴らしいことのように習いました。

 

飢えて倒れている狩猟採取民がいたので

農耕民が米や麦を与えて介抱してやり、

感動した狩猟採取民は、

分けてもらった米や麦を

「自分たちでも育てる!」

と言って手を振って別れる。

 

・・・・というやつです。

 

昨今の研究によれば、これは真っ赤な嘘

というのが定説になっています。

 

それというのも、農業を始めた集団は

狩猟採取民に比べ、体が小さく

骨などの分析を見ても

明らかに栄養失調になっている

というのが明らかになったからです。

 

理由は三つあります。

 

一つ目の理由は、

定住生活の結果、子供の生まれる速度が早い。

 

移動する狩猟採取民は、1人目の子供が

大人について歩けるようになるまで

次の子供を産めません。

 

親が2人以上の子供を抱えて移動するのは

明らかに無理があります。

 

一方、定住民はその制約がないので

どんどん子供を産みます。

 

農業を始めたことで、

確かに得られる食料は増えましたが

人口の増加の方が上回ってしまい、

1人当たりのカロリーはかえって低下する。

(これは過去の全ての文明に当てはまるだけでなく

 20世紀の緑の革命においても起きました。)

 

二つ目の理由は、

農耕民は、自分で育てた作物のみを主に食し

栄養のバランスが取れていないのに対し、

狩猟採取民は、その時に見つけた様々な食料を

食べていたため、栄養バランスが良かったこと。

 

最後の理由は

狩猟採取民に比べ、農耕民は

体を鍛える機会が少なく、

運動不足だったこと。

 

栄養が足りず、運動不足、では

体が貧相になるのは仕方がない。

 

しかも、近年の研究によると、

狩猟採取は案外悪い生活ではないらしい。

 

豊かな森林であれば、3週間も頑張れば

1年分の食料が手に入る。

 

つまり、狩猟採取民の自由な時間は

農耕民よりもはるかに多かった、

ということです。

 

では、なぜ農耕民は狩猟採取民を圧倒したのか?

 

これは簡単で、兵士の数で圧倒できたので

狩猟採取民はどんどん追いやられていった

ということです。

 

こういうことを考えると、

ちょっと切なくなりませんか?

 

我々は毎日あくせく働いていますが

狩猟採取民は1年に3週間働けばそれでOK

なんだかねぇ・・・・・

 

さて、ここまでは人間の話。

ここから話は別の動物になります。

 

バイクは鉄馬と呼ばれることもあるように

いわば馬はバイクの先輩です。

 

そのバイクの先輩に対して、

どうしても分からなかったことが

一つありました。

 

なぜ?馬は蹄鉄をつけるのか?

野生の馬が蹄鉄無しで暮らせるのに

なぜ、家畜馬は蹄鉄が必要なのか?

 

まあ、そこで、ちょっとググってみました。

すると、出てきたのが・・・馬よ、お前もか!

       ↓    ↓

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B9%84%E9%89%84

https://nazology.net/archives/108845

 

家畜馬の蹄は、野生馬の蹄に比べ、脆く、弱い。

そのため、蹄鉄で守らないと歩けない。

 

理由は・・・・

 

①栄養価の低い餌

野生環境の場合、多種多様な餌を食べるので、

栄養バランスが取れている。

一方、家畜馬は多様性の低い食物を与えられる。

②運動の制約

野生の馬は様々な地形を歩くので馬の蹄はその刺激で日々鍛えられる。

一方、家畜の馬は、歩くといっても整備された歩道や牧場のみ。

③過重

人間や積み荷、荷車や貨車によって馬に与える重量と負荷は増加し、

蹄の摩耗もいっそう顕著となる。

 

過重の問題を別にすれば、農耕民と同じじゃありませんか。

 

こうやって考えると、農耕文明って良かったのか否か。

かなり疑問になってきますね。

 

 

P.S.

なお、異論として、家畜馬は舗装路の上を歩くから

という説を挙げているサイトもあります。

 

でも・・・蹄鉄は遅くとも中世から使われており、

そのころ舗装路はほとんどなかったので

この説は間違いではないかなぁ?


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